コンテナハウスを作りたいけど、一体いくらくらいかかるのか。計画をしはじめたときに一番気になるポイントではないでしょうか。
私の場合は、たまたま相方が先祖から代々受け継いできた農地(耕作放棄されて数十年が経過していましたが)があったため、コンテナの「置き場所」をゲットする必要はありませんでした。
が、それでもそれなりにお金がかかるため、可能な限り低コストで、それでいて理想を実現するために、いろいろ考えました。
ここでは実際に何にいくらかかったかを公開しますので、ご参考にしてみてください。
実際にかかった工事関連の費用の一覧
項目 | 価格(税抜) |
中古20ft海上コンテナ | ¥235,000 |
外壁塗装 | ¥75,000 |
ドア・サッシ取付工事 | ¥309,000 |
孔開け工事(3箇所) | ¥26,000 |
内装工事(天井・壁 軽天まで) | ¥147,500 |
運搬費・設置費 | ¥60,000 |
庇取り付け | ¥80,000 |
地面養生(鉄板) | ¥155,800 |
内装工事(ハウスメーカーに依頼) | ¥490,000 |
電気設備工事(ハウスメーカーに依頼) | ¥330,000 |
コンポストトイレ | ¥238,000 |
エアコン | ¥100,000 |
合計 | ¥2,246,300 |
中古の海上コンテナの値段
私が購入したものは23万5000円*だったので、中古のコンテナ自体の値段はそれほど高いものではありません。
つまり、これを購入して、窓も何も付けず、そのまんま物置などとして使う場合は、これに輸送費用や、必要に応じて土地の養生費用などがかかるだけで済むということになります。
が、当然ながらコンテナは「荷物を運ぶだけの箱」だった訳なので、扉を開けたらただの真っ暗な箱です。
しかも、そのままでは夏は高温に、冬は低温になります。「小屋」として活用したい場合は、やはりなんらかの加工が必要ですね。
*多くの場合、コンテナハウスを作る業者さんのサイトには最低価格が書いてあると思われ、「18万円〜」のように、これよりも安い値段が表示されていることもあります。
が、これは中古コンテナの状態によって変わるようなので、依頼する業者さんに確認されることをおすすめします。
外装・内装(軽天まで)の加工
窓などの「穴」の加工
窓だけではなく、穴が必要な場所はしっかりカウントして、図面に位置を記して確実に開けてもらいます。
私は、コンテナの外装→軽天までの内装をコンテナ業者さんに依頼し、軽天以降の内装を、別のハウスメーカーさんに依頼したため、この「穴あけ」に漏れが生じないよう注意しました。
ひとつの業者さんに仕上げまでの全工程を依頼する場合は、そこまで気にしなくても良いかもしれませんが、もしも何かを忘れていて、後から穴を開けるとなると、非常に難しいと思われるので(おそらくコストもかかる)、仕様を確実に把握した上で図面をチェックするのが良いと思います。
なお、上の一覧表には詳細書いていませんが、穴を開ける単価は、穴に何がしかのフレームを取り付けるなどの特殊な加工が必要なければ数千円で済みます。
窓の取り付け
穴を開けたら、窓の取り付けもコンテナ屋さんでの工事となります。色、サイズ、窓のタイプを選んで付けてもらいます。
窓を選ぶ際のポイントとしては、デカい窓は費用がかさむということです。私が自分のコンテナハウスを作る際に参考にしたコンテナハウスにはデカい窓が付いていて、それがモーレツにカッコ良くて、自分のコンテナにもぜひ付けたいと思い、一度は検討しましたが…
- 窓自体が特注で高い=規格品をうまく活用する方がコストは抑えられる
- 大きいことにより、窓だけでなく運搬費用も高くつく
という理由でやめました。なお、今の状態でまったく不満はありません。
ただし、店舗など、見た目重視の場合はそこにお金をかけるのもアリだとは思います。
なお、その場合でも天窓はやめた方がいいと思います。これはコンテナ屋さんからの助言でした。
なんか天窓ってステキな感じがしますが、死ぬほど暑くなるのと雨漏りが起きるリスクが高まるのでオススメしないと言われました。
実際に天窓を取り付けたお客さんが暑くて後悔されているという話を交えておっしゃっていたので、あってもメリットがほぼゼロで(昼間、より空間が明るいくらい?)、デメリットの方が多いのであればやめようと思い、うちのコンテナには設置していません。
庇(ひさし)について
庇はコンテナを現地に設置後に現場で付けてもらいます。これ、絶対つけた方がいいですね。
それも大きめのものを。コンテナは四角い箱なので、庇がないと雨の日の入退室が悲惨です。
いろんなデザインが考えられると思いますが、コンテナ愛あふるるコンテナ業者さんの営業の方のオススメで、庇も中古コンテナの「壁面」部分を切り出して作っていただきました。
上記一覧表には書いていませんが、実際にかかった費用はもろもろ合計で80,000円でした。
運搬・設置費
コンテナ屋さんの工場での窓の取り付けと内装の軽天までが完了したコンテナは、この段階で大人の秘密基地予定地に運搬され、設置されました。
なお、運搬については運ぶ距離により価格が変わってきます。
私の秘密基地は、コンテナ屋さんから100キロ圏内にあるため、もっとも安い金額が設定されましたが、遠くへ運ぶ場合はもっと費用がかかることを想定する必要があるでしょう。
内装加工費
断熱材について
これは必須です。一般住宅同様に、断熱材がないと、暑くて寒いですが、コンテナの場合は鋼鉄でできているため、それが木造の場合より顕著だと思われます。
室内の扉について
うちのコンテナハウスは、一つだけ空間を仕切る壁があり、狭い方の空間にはコンポストトイレと手洗い用の洗面台を設置しました。
そこへの出入りのために、引き戸を設置しましたが、この引き戸は内装を受け持ってくださった大工さんに作っていただきました。
非常に美しい仕上がりで、色を塗るのがもったいなかったので、この部分は無垢のまま使用しています。
なお、この引き戸のレールはちょっとこだわって、私がほしいと思ったデザインのものをネットで注文して購入しました。
電気の引き込み工事
とことんオフグリッドにするというのであれば、電気は不要、あるいは太陽光発電機を屋上に置くなどという方法もあるかと思います。
が、コンテナの内部は断熱材を入れていても寒暖差が激しいため、エアコンなしで過ごすのはかなりしんどいです。
また、太陽光発電機は理想的で、かなり迷いましたが、導入費用が相当高くつくのと、どれくらいの期間、壊れずに使用できるのかといったことがわからず、コンテナでの電力使用の頻度を考えた場合のコスパがめちゃくちゃ悪いのでやめました。
という訳で、電気の引き込みは必須となります。
あらためて今調べてみると、電気の引き込み工事自体の相場は10〜15万円くらいのようですが、私の手元の記録では33万円強かかったことになっています。
ハウスメーカーさんからいただいた見積書を紛失してしまっており、詳細がわからないのですが、良心的な会社に依頼して倍の金額がかかっているということは、単なる電気引き込み以外の費用がかかっているのだと思われます。
工事以外の経費のうち金額が大きいもの
トイレがあると安心
コンポストトイレについては、また別の投稿で詳しく書きたいと思いますが、秘密基地にトイレを設置したことは非常によかったと感じています。友人が訪れたときや、農作業中などに重宝しています。
私は、いろいろ調べた結果、庭仕事ひろばさんのコンポストトイレを購入しましたが、コンポストトイレは自作することもできます。詳しくはまた別の機会に書いて、追々そのページへのリンクを貼りたいと思います。
エアコン
何度も書いているとおり、日本の夏は暑いです。エアコンは設置することを強くお勧めします。
20フィードコンテナの広さであれば、10万円前後のエアコンで問題ありません。
が、私は10年の長期保証にするために、5年か10年かの保証期間の境となる10万ちょい超えのエアコンを購入しました。
保証期間を10年にしたかった理由は、自宅のエアコンが見事に壊れまくったからです。
エアコンってフツーに使っていても壊れるときは壊れますね。たった数千円の差で5年保証か10年保証かの違いは大きいと思います。
まとめ
本体は安いのに、使えるようになるとするとけっこう高くつくなと思われた方もいらっしゃるかもしれません。いわゆる小屋DIYキットと比較するとずいぶんと高い買い物です。
コンテナハウスは流行りでもあるため、各社「◯◯円でできます」「低コストで作れます」みたいなことが書いてあります。
これ、多くの場合、「これにはあれとこれが含まれていません」という状態なのと、すべての費用を鑑みると、実際にはそこまで大々的に謳うほど「低コスト」ではありません。
よって、「安い!」と思った金額に何が含まれていて、何が含まれていないかを見極めた上で、提示されていないけど先々必要となる費用も含めて検討するのが良いのではないかと思います。